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解説 | 2026.08.23

業務用GPTとは?
ChatGPTとの違いと
社内導入4ステップ

業務用GPT(カスタムGPT・Gemini Gem・Claude Projectsなど)は、ChatGPTやGeminiに前提を毎回打ち込み直す手間を、指示を一度だけ登録して使い回す仕組みに変えるものです。ChatGPTを開いて、また同じことを打ち込む。「うちの会社は◯◯業で、こういうトーンで、こういう条件で」——毎回、前提から説明し直している。そんな作業をしている会社は少なくありません。

その手間は、ChatGPTやGeminiが力不足なわけではなく、使い方に一段階足りない部分があるだけのことが多いです。汎用のチャットAIに毎回頼む代わりに、前提や指示をあらかじめ登録した「自分専用のAI」を1つ作っておく。この記事では、その「業務用GPT」の考え方と、実際に社内で使えるようにするまでの手順を整理します。

業務用GPTとは何か

「業務用GPT」は特定のサービス名ではなく、特定の業務に合わせて、指示・知識・出力形式をあらかじめ登録しておいたAIの総称として、この記事では使います。代表的なものに次の3つがあります。

サービス名称提供元
ChatGPTカスタムGPT(GPTs)OpenAI
GeminiGemGoogle
ClaudeProjectsAnthropic

どれも仕組みはほぼ共通していて、次の3点が「毎回チャットに頼む」との違いになります。

  • カスタム指示:役割・トーン・守ってほしいルールを、最初に一度登録しておける
  • ナレッジの添付:自社の資料・過去の原稿・チェックリストなどを読み込ませておける
  • チーム内での共有:一度作ったものを、同じ部署の他のメンバーにも使わせられる

普段のチャット画面にプロンプトを毎回貼り付けるのが「都度手動で頼む」やり方だとすれば、業務用GPTは「その指示を一度だけ書いて、あとは呼び出すだけ」にする仕組みです。

何が変わるのか

同じ作業でも、汎用チャットに毎回頼む場合と、業務用GPTを作っておいた場合とでは、手間の中身が変わります。

項目汎用チャットに毎回頼む業務用GPTを作った場合
毎回の指示量前提・条件・ルールを、そのつど打ち込み直す前提・条件・ルールは登録済み。必要な情報だけ渡せばよい
出力のブレ頼み方の微妙な違いで、出てくる形式や品質が揺れやすい毎回同じ指示から出発するので、形式が安定しやすい
チーム共有のしやすさ「どう頼めばいいか」が担当者の頭の中にしかない作ったもの自体を他のメンバーに渡せる

いずれも「AIの賢さ」の違いではなく、同じ指示を毎回書き直すか、一度だけ書いて使い回すかという運用の違いです。

自社での実装経験

わたしたちも、以前公開した記事「AIでAirworkの求人原稿を作る方法|レベル1〜MAXの3段階で解説」の中で、実際にカスタムGPT・GeminiのGemを作る手順を紹介しています。求人原稿づくりに使うプロンプトと、性別・年齢などのNGチェック観点を、そのまま「指示(カスタム指示)」欄に貼り付けて登録する、という内容です。作成自体はChatGPT・Geminiどちらも数分で完了し、名前を付けて指示文を貼るだけの操作でした。

一本ごとに項目整理からプロンプトの打ち込みまでをやり直す「都度手動」のやり方と比べて、募集要項さえ渡せば同じ品質の叩き台が返ってくる状態を作れる、というのが実際にやってみた実感です。詳しい手順やプロンプトの中身は、上記の既存記事に譲ります。

社内導入の4ステップ

業務用GPTを作るときの進め方は、次の4ステップに整理できます。

  1. 用途を1つに絞る:「なんでもできるAI」ではなく、「求人原稿の叩き台を作る」「問い合わせメールの下書きを作る」のように、対象を1つの業務に絞ります。欲張って複数の用途を1つに詰め込むと、指示が複雑になり品質が落ちやすくなります。
  2. カスタム指示を書く:役割(「あなたは◯◯を手伝うライターです」)、出力してほしい形式、守ってほしい条件を、箇条書きでまとめて登録します。普段チャットに打ち込んでいるプロンプトが、そのまま土台になります。
  3. 確認プロセスを組み込む:誤字や事実確認だけでなく、「使ってはいけない表現」「必ず入れるべき項目」のようなチェック観点も、指示の中に含めておきます。出力をそのまま使わず、人が確認する前提は変わりません。
  4. 小さく試して直す:一度作って終わりにせず、実際の業務で使いながら、出力がずれる部分があれば指示を書き足していきます。最初から完璧な指示を目指すより、使いながら育てるほうが早く実用的になります。

向いている業務・向いていない業務

すべての業務が業務用GPT向きというわけではありません。見極めの目安は次のとおりです。

  • 向いている:求人原稿・お知らせ文・定型メールの下書きなど、毎回似た形式で繰り返し発生する業務
  • 向いていない:案件ごとに判断基準が大きく変わる業務(個別の契約条件の判断、金額の最終決定など)。こうした業務は、AIに叩き台を作らせるより、人の判断を主にした方が安全です

判断が要る部分は人に残し、繰り返しの部分だけをAIに渡す、という切り分けが基本になります。業務用GPTのさらに一歩先、複数の役割や手順をまとめて任せる「エージェント」との違いは、「AIエージェント」と「スキル」は何が違う?で整理しています。

よくあるご質問

ChatGPT・Gemini・Claude、どれで作ればいいですか?
すでに社内で使っているサービスがあれば、まずはそれで試すのが早いです。仕組みはどれも大きくは変わらないため、乗り換えを前提に考える必要はありません。
専門知識がないと作れませんか?
プログラミングの知識は不要です。普段チャットに打ち込んでいる指示文を、登録画面の「指示」欄にまとめて貼り付ける操作が基本になります。
一度作ったら、もう直せませんか?
いつでも指示を書き足したり修正したりできます。最初から完成形を目指さず、使いながら育てていくものと捉えるとうまくいきます。

まとめ

業務用GPTは、特別な開発をしなくても、ChatGPT・Gemini・Claudeに標準で用意されている機能で作れます。難しいのは技術ではなく、「どの業務を、どういう指示で任せるか」を一度きちんと言語化するところです。

とはいえ、「うちの会社だと何から手をつければいいか分からない」という状態で止まってしまう方も多いはずです。まずは自社のどの業務が繰り返しの多い作業なのか、棚卸ししてみることから始めてみてください。

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